iDeCo 掛金の上限 計算【2026年12月から引き上げ・2027年1月引き落とし分】節税額つき

働き方(年金の加入の区分)と年齢、企業年金の掛金を入れると、2026年12月分の掛金からの iDeCo の上限が分かります。年収と掛金を入れると、所得税と住民税がいくら減るかの概算も出ます。

使う数字: 確定拠出年金法施行令 第36条(2026年12月1日施行)・厚生労働省、国税庁・地方税法(税金) / 最終更新:

あなたの働き方(年金の加入の区分)
企業型DCは「企業型確定拠出年金」、DBは「確定給付企業年金」のことです。勤め先の企業年金が分からないときは、給与明細や就業規則、人事の窓口で確かめてください
社会保険料・ほかの控除(分かれば)

使い方

働き方(年金の加入の区分)と年齢を選ぶと、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金の上限が、2026年11月分までと2026年12月分からでいくらになるかを出します。企業年金がある会社員は、勤め先の企業年金の掛金を入れると、その分を引いた上限になります。

年収(自営業の人は所得)と掛金も入れると、掛金を払ったときに所得税と住民税がいくら減るかの概算を、今の掛金と2027年からの掛金で並べて出します。入力した数字はこの画面の中だけで計算し、どこにも送りません。

このページは、掛金の上限と、掛金による所得控除で減る税金を計算するものです。どの商品を選ぶか、いくら積み立てるかの助言はしていません。

2026年12月から変わること(厚生労働省・確定拠出年金法施行令)

年金制度の改正(2025年の法律)で、iDeCo の掛金の上限(拠出限度額)が2026年12月1日から上がります。厚生労働省は「2026年12月(2027年1月引き落とし分)から」と案内しています。iDeCo の掛金はその月の分が翌月に引き落とされるので、2026年12月分の掛金(2027年1月に引き落とされる分)から新しい上限です。

iDeCo の掛金の上限(月額)
区分2026年11月分まで2026年12月分から
会社員(企業年金なし)23,000円62,000円
会社員(企業型DC・DBなどあり)20,000円
(企業年金と合わせて55,000円まで)
62,000円 − 企業年金の掛金
公務員20,000円54,000円
(62,000円 − 8,000円)
自営業など(第1号)68,000円
(国民年金基金などと合わせて)
75,000円
(国民年金基金などと合わせて)
扶養されている配偶者(第3号)23,000円23,000円(変わらない)
60〜69歳で国民年金に入っていない人(第5号)加入できない62,000円(新しくできる区分)

企業年金がある会社員は、これまでは「iDeCo は2万円まで」という別の上限がありましたが、改正後はなくなり、企業型DCの事業主掛金と、DB などの他制度掛金相当額を62,000円から引いた額が iDeCo の上限になります(確定拠出年金法施行令 第36条第3号・第4号)。公務員は共済掛金相当額(月8,000円)、私立学校の教職員は私学共済の掛金相当額(月7,000円)を引きます(厚生労働省のリーフレット)。引いた額が0円を下回るときは0円です。

加入できる人と年齢

  • 会社員・公務員(第2号): 厚生年金に入っている人。企業型DCで自分も掛金を出している(マッチング拠出をしている)人は、iDeCo に入れません(確定拠出年金法 第62条第1項第2号)。
  • 自営業・フリーランス・学生など(第1号): 20歳以上60歳未満で、国民年金の保険料を納めている人。保険料を免除されている人(一部免除を含む)と、農業者年金に入っている人は入れません。
  • 扶養されている配偶者(第3号): 20歳以上60歳未満。
  • 国民年金に任意加入している人(第4号): 60歳以上65歳未満などで任意加入している人。上限は第1号と同じです。
  • 60歳以上70歳未満で国民年金の被保険者ではない人(第5号・2026年12月から): iDeCo に入っていた人、運用指図者(掛金を止めて運用だけしている人)、企業年金の資産を iDeCo に移す人のどれかで、老齢基礎年金や iDeCo の老齢給付金を受け取っていない人です(確定拠出年金法 第62条第1項第5号・第2項)。2029年11月末までは、これに当てはまらない人も加入できます(厚生労働省「2025年の制度改正」の経過措置)。老齢基礎年金を繰り下げて、老齢厚生年金だけを受け取っている人は加入できます。

65歳以上の会社員は、老齢年金を受け取る権利があると国民年金の第2号被保険者ではなくなるので、今は iDeCo に入れません。2026年12月からは第5号として、70歳になるまで入れます。このページは、65歳以上の会社員をこの第5号として計算しています。

計算のしかた

  1. 上限: 選んだ区分と年齢から、確定拠出年金法施行令 第36条の額を出します。企業年金がある人は、入れた事業主掛金・他制度掛金相当額(公務員は8,000円、私学共済は7,000円)を引きます。自営業の人は、国民年金基金の掛金・付加保険料を引きます。
  2. 掛金: 「2027年からの掛金」が空欄なら、新しい上限(1,000円未満は切り捨て)で計算します。1年の掛金は月額の12か月分です。
  3. 所得税: 給与の年収から給与所得控除を引いた給与所得(自営業の人は入れた所得)から、社会保険料・そのほかの所得控除・基礎控除(合計所得489万円以下なら104万円)と iDeCo の掛金を引いて課税所得(1,000円未満切り捨て)を出し、速算表の税率を掛け、復興特別所得税(2.1%)を足して100円未満を切り捨てます。掛金がある場合とない場合の差が、減る所得税です。
  4. 住民税: 同じ所得から、社会保険料・そのほかの所得控除・住民税の基礎控除(43万円)と掛金を引いた課税所得に、標準税率の10%(市町村6%・道府県4%)を掛け、調整控除を引きます。掛金がある場合とない場合の所得割の差が、減る住民税です。均等割は掛金では変わりません。

2027年に引き落とされる掛金(2026年12月分〜2027年11月分)は、2027年分の所得税と、2028年度(2028年6月から)の住民税から控除されます。このページは、令和8・9年分の所得税の控除額(基礎控除の特例は令和8・9年分)と、給与所得控除74万円の住民税で計算しています。iDeCo の掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象です(所得税法 第75条、地方税法 第314条の2)。

実額と合わない場合

  • ほかの控除: 配偶者控除・扶養控除などは、住民税の額が所得税より少し小さいのですが、このページは「そのほかの所得控除」を住民税でも同じ額として計算しています。住民税がかかるかどうかの境目にいる人は、住民税の減る額が違うことがあります。
  • 税額控除: 住宅ローン控除・配当控除などで所得税が0円になる人は、掛金を払っても所得税は減りません。このページは税額控除を入れていません。
  • 住民税の非課税: 住民税がかからない範囲は、本人だけ(扶養する家族がいない)の基準(所得45万円以下)で見ています。家族を扶養している人や、2級地・3級地の市町村では基準が違います。
  • 税率の上乗せ: 住民税は標準税率で計算しています。名古屋市など、税率が標準と違う自治体があります。
  • 社会保険料の推定: 空欄のときの社会保険料は、会社員は協会けんぽの全国平均の料率で賞与のない月給として、自営業は国民年金と東京23区の国民健康保険料、60〜69歳で国民年金に入っていない人は東京23区の国民健康保険料、扶養されている配偶者は0円で推定しています。健康保険組合・共済組合に入っている人や、ほかの市区町村の人は違います。源泉徴収票の額を入れると近づきます。
  • 年の途中で変えた・止めた: 1年の掛金は月額の12か月分で計算しています。掛金を変えた月や、拠出を止めた月がある人は、実際に払った額で控除されます。
  • 2028年以後の制度: 令和10年分以後の所得税の基礎控除・給与所得控除は、2年ごとに見直すことになっています(国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」)。2028年以後の掛金の節税額は、見直しの結果で変わることがあります。

知っておきたいこと

  • 掛金の変更には手続きがいる: 上限が上がっても、掛金は自動では増えません。厚生労働省のリーフレットでは、2026年12月分(2027年1月引き落とし分)からの変更は2026年9月ごろから運営管理機関(加入している金融機関)で受け付け、オンラインの「e-iDeCo」では2026年12月1日〜24日に手続きできるとしています。手続きの内容によっては、12月分に間に合わないことがあります。
  • 掛金は月5,000円から1,000円単位です(iDeCo公式サイト)。企業年金がある会社員などは、毎月の拠出です(確定拠出年金法施行令 第35条)。
  • 原則60歳まで引き出せない: 老齢給付金は原則60歳から受け取れ、加入していた期間が10年に満たないと受け取れる年齢が遅くなります(確定拠出年金法 第33条。iDeCo は第73条で準用)。60歳より前に受け取れるのは、障害給付金・死亡一時金のほかは、脱退一時金の条件(同法 附則第3条)にすべて当てはまる場合だけです。
  • 受け取るときに税金がかかる: 一時金で受け取ると退職所得(退職所得控除の対象)、年金で受け取ると公的年金等の雑所得(公的年金等控除の対象)として課税されます(所得税法 第31条・施行令 第72条、第35条・施行令 第82条の2)。勤め先の退職金や公的年金と同じ年に受け取ると、控除を分け合うことがあります。
  • 手数料がかかる: 加入するときと、掛金を払う月ごとに、国民年金基金連合会と信託銀行の手数料がかかります。運営管理機関(金融機関)の手数料は、機関によって違います。
  • 控除の受け方: 会社員が自分の口座から払っている場合は、国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を年末調整で出します。給与から引かれている場合(事業主払込)は、勤め先が源泉徴収で控除します。自営業の人は確定申告で控除します。
  • 掛金の額は元本が保証されたものではなく、運用の結果で受け取る額が変わります。どの商品で運用するかは、このページでは扱いません。

根拠の法令・資料

  • 上限(拠出限度額): 確定拠出年金法 第69条、確定拠出年金法施行令 第36条(2026年12月1日施行の「国民年金基金令等の一部を改正する政令」による改正後と、改正前)。e-Gov 法令検索の、施行前の条文で確かめています。
  • 加入できる人: 確定拠出年金法 第62条(2026年12月1日施行の改正後。第5号加入者)。
  • 区分ごとの額・共済掛金相当額・手続きの時期: 厚生労働省「2025年の制度改正」と、リーフレット「iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢が引き上げられます」「国家公務員・地方公務員の皆さまへ」。
  • 掛金の控除: 所得税法 第75条(小規模企業共済等掛金控除)、地方税法 第314条の2第1項第4号。所得税と住民税の計算は、国税庁 タックスアンサー No.2260(税率)・No.1410(給与所得控除)・No.1199(基礎控除)と地方税法 第314条の3・第314条の6。
  • 受け取りと税金: 確定拠出年金法 第33条・附則第3条、所得税法 第31条・第35条と同施行令 第72条・第82条の2。

よくある質問

企業年金のない会社員の上限は、いつからいくらになりますか?

2026年12月分の掛金(2027年1月に引き落とされる分)から、月23,000円が月62,000円になります(確定拠出年金法施行令 第36条第2号)。1年では最大744,000円です。

企業型DCがある会社員の上限は?

62,000円から、企業型DCの事業主掛金(DB などもある人は他制度掛金相当額も)を引いた額です。たとえば事業主掛金が月1万円なら、iDeCo は月52,000円までです(今は月2万円まで)。企業型DCでマッチング拠出をしている人は、iDeCo には入れません。

公務員の上限は?

月20,000円から月54,000円になります。62,000円から共済掛金相当額の8,000円を引いた額です(厚生労働省のリーフレット)。

自営業の上限は?

月68,000円から月75,000円になります。国民年金基金の掛金や付加保険料(月400円)を払っている人は、その分を引いた額です。

掛金を増やすと、税金はいくら減りますか?

増やした掛金の1年分に、あなたの所得税の税率(5〜45%に復興特別所得税を足したもの)と住民税の10%を掛けた額が目安です。たとえば所得税の税率が10%の人が月1万円増やすと、1年で約2.4万円です(iDeCo公式サイトの例と同じ考え方)。税金がかかっていない人は減りません。あなたの数字での額は、計算結果の表に出ます。

上限が上がったら、何か手続きが必要ですか?

掛金を変えたい人は、加入している運営管理機関で変更の手続きをします。変えなければ、今の掛金のまま続きます。60歳以上で新しく入れるようになる人は、改めて加入の手続きが必要です(厚生労働省のリーフレット)。

数字の出典

公的機関が公表した数字と計算式を使い、ページに書いた前提で計算しています。制度が変わったときは、公表を確認してから更新します。間違いに気づいたらお知らせください。